Jazz Japan Vol. 122、2020年11月号レビュー

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ジャズのリラックスした部分や尖った部分に、ブラジルの軽やかなグルーヴが加わり、最高に聴き心地の良い作品が出来上がった。

2017年から活動してきたデュオの意欲作。本宿はバークリーとニューイングランド音楽院の両方を卒業, ジョージ・ラッセルのリディアン・クロマティック・コンセプトを受け継ぐ理論家でもある。城戸は長年ブラジル音楽に傾倒。ブラジル出身のエリオ・アルベス(p)が加わった3人編成。①はカエターノ・ベローゾの力ヴァー。空気をたっぷり含んだ軽やかなフルートの魅力が,グルーブ感満点のカラフルなピアノとともに広がり,2羽の小鳥がおしゃべりしているように楽しい。②はブラジルを代表する音楽家ェルメート・パスコアールがこの2人のためにプレゼントした楽曲で,内省的で2つの旋律が絡み合う流れが美しい。③は踊りたくなるようなサンバ。④⑤は本宿のオI)ジナル。思いがけないコード進行やハモリの音程がとても新鮮だ。⑥では半音階進行に変拍子の中, フルート2本が縦横無尽に飛翻。実験的ながら不思議な模様を見たような感触がいい。ジャズのリラックスした部分や尖った部分に, ブラジルの軽やかなグルーブが独特の色合いや空気感となって,最高に聴き心地の良い作品だ。 (山本美芽)

JazzJapan Vol.122 2020-11 Review
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